イボ
1. イボとは
イボ(疣贅:ゆうぜい)は、皮膚に小さな盛り上がりや硬い突起が生じる状態の総称です。
見た目はドーム状・ざらざら・平らなものなど様々で、原因によって種類と治療が大きく異なります。
ウイルスによる感染性のイボから、加齢・紫外線・摩擦などが関与して生じる良性腫瘍まで幅広く、正確な診断が治療選択に重要です。
2. イボができる原因
イボの原因は大きく**「ウイルス性」と「非ウイルス性(紫外線・加齢・摩擦)」**の2つに分類されます。
2-1 ウイルス性
2-1-1 ヒトパピローマウイルス(HPV)
手指・足裏・顔などにできる一般的なイボの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じます。
極小の傷からウイルスが侵入し、皮膚表面で増殖することで角質が厚くなり、イボとして盛り上がります。
HPVには多くの型があり、型によって症状の出方やできる部位が異なります。
2-1-2 伝染性軟属腫ウイルス(水イボ)
ポックスウイルスの一種が原因で、つやのある小さな結節が多数できるタイプです。
幼児〜小児でよく見られ、プールやスキンシップで広がることがあります。
ウイルス性のイボの特徴
- 接触感染で体の別の部位にも広がる
- 家族にうつることがある
- 触る・削るなどの刺激で悪化しやすい
2-2 紫外線・加齢・摩擦
ウイルスとは関係なく、紫外線ダメージや加齢変化、衣服とのこすれで皮膚が部分的に盛り上がるタイプです。
30代頃から増えはじめ、年齢とともに数が増える傾向があります。
顔、首、わきの下、体幹に多くみられます。
3. イボの種類と見分け方
3-1 ウイルス性のイボ
3-1-1 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
- 最も一般的なタイプ
- 表面がざらざらした小さな盛り上がり
- 手指・足の甲・足裏に多い
- HPV感染が原因
3-1-2 青年扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
- 平らで小さな突起が多数
- 顔・額・腕に多い
- 若年層に比較的多い
3-1-3 尖圭コンジローマ
- 外陰部や肛門周囲にできるやわらかい突起
- 性感染症の一つ
- 特定の型のHPVが原因
3-1-4 ミルメシア
- ウオノメに似た深いイボ
- 小児の足裏に単発でみられやすい
3-1-5 伝染性軟属腫(水イボ)
- つやがあり中央がへこんだ白い小結節
- 幼児に多く、接触で広がることがある
3-2 紫外線・加齢・摩擦によるイボ
3-2-1 老人性疣贅(脂漏性角化症)
- 褐色〜黒色の盛り上がり
- 表面がざらざら
- 顔、頭皮、手の甲、体幹に多い
- 紫外線・加齢による良性腫瘍
3-2-2 軟性線維腫(スキンタッグ・首イボ)
- 数ミリ程度のやわらかい突起
- 首・わき・鼠径部などこすれやすい場所
- 加齢と摩擦が主な要因
4. 当院のイボの取り方・治療方法
イボの種類・大きさ・部位に応じて、最適な治療を選択します。
4-1 冷凍凝固法(液体窒素)
イボ治療として最も一般的な方法です。
マイナス196℃の液体窒素を用いてイボ組織を凍結し壊死させます。
- 数日〜数週間でかさぶたとなり脱落
- 1〜2週間ごとに継続治療
- 手足のイボは治療回数が多くなることがある
皮膚への負担が少なく、保険診療の基本治療です。
4-2 炭酸ガスレーザー
レーザーの熱でイボ組織を蒸散させる治療法です。
ピンポイントで除去でき、出血が少ないのが特徴です。
- 老人性疣贅・スキンタッグなどに有効
- 局所麻酔が必要
- 処置後はガーゼ保護が必要
(保険適用外のことが多いため、診察時にご説明します。)
4-3 手術による除去
メスで切除する方法で、
- 大きいイボ
- しこり状で深いイボ
- 少ない回数で確実に取る必要がある場合
に選択することがあります。
傷跡が残る可能性があるため、部位を見て慎重に判断します。
4-4 外用薬
小児でよく使用される方法で、
- トリクロロ酢酸
- 角質軟化薬
などを用いて徐々にイボを薄くします。
痛みは比較的少ないですが、治療は数ヶ月単位で行います。
4-5 内服薬(ヨクイニン)
ヨクイニンは、ハトムギから抽出した成分を用いる内服薬です。
- 免疫バランスを整えて改善を助ける
- 副作用が少なく小児にも用いられる
- 数ヶ月単位での服用が必要
5. イボができたときやってはいけないこと
イボで絶対に避けるべきことは次の2点です。
- 放置すること
- 自分で削る・切る・つぶすこと
特にウイルス性のイボは刺激で広がりやすく、
他の部位や家族へ感染する可能性があります。
また、見た目が似ていても
- イボ
- タコ・ウオノメ
- ほくろ
- まれに悪性腫瘍
など全く異なる疾患であることがあります。
気になるできものがあれば、早めに皮膚科で診察を受けてください。
当院でのイボ治療
当院では、
- 診察による正確な鑑別
- 液体窒素治療
- レーザー治療(対象病変)
- 手術的切除
- ヨクイニン内服・外用療法
- 再発を防ぐケアの指導
などを行っています。
「イボかどうか分からない」「治らない」「増えてきた」などの症状があれば、お気軽にご相談ください。
